2021/22シーズンのインフルエンザワクチンを始めます。
今シーズンのインフルエンザについて
新型コロナウイルス感染の流行の影響を受けて人の交流が減ったことと例年以上に感染防止を意識したことなどから、昨シーズンはインフルエンザの流行がありませんでした。世界的に流行は発生しませんでした。今シーズンも流行がなければ良いのですが、第5波収束後の急速な社会的な活動の再開に伴いインフルエンザ感染の機会も増えることが予想されます。また、昨シーズン、インフルエンザに感染した人がほとんどいないことから、インフルエンザに対する抗体を持っている人も少なくなっています。そのことから流行が始まってしまうと大規模になってしまうおそれがあります。インフルエンザ流行と新型コロナウイルス感染の流行が重なってしまうと大変な状況になります。
できるかぎり多くの方にインフルエンザワクチンを接種していただきたいと思います。
接種料金は1回 3,800円(税込)です。
こどももおとなも同一料金です。
標準的な接種回数は、13歳未満は2回、13歳以上は1回もしくは2回です。
13歳以上であっても2回接種することはできます。
①昨シーズンにインフルエンザワクチンを接種していない人
②昨シーズンにインフルエンザに罹患していない人、
または
③できるだけ感染したくない人
などで希望される方には2回接種も考慮します。ワクチン供給量によっては希望に添えないこともあります。
新型コロナワクチンを接種する前後2週間は他のワクチンを接種できません。
予約
ワクチン接種を希望される方は、必ず予約の上、ご来院ください。
予約は、院内の受付または電話でお願いします。
ご家族やご兄弟で接種を希望の方は、予約時にお受けになる方全員のお名前をおしらせください。
インフルエンザワクチンについて
2015/16シーズンからインフルエンザワクチンは3価から4価に変更されています。
インフルエンザウイルスには多くの種類があり、シーズン毎に、そのなかから流行しそうな種類(ウイルス株)を選んで、それに対応するワクチンを製造します。
これまではA型から2種類、B型から1種類が選ばれていました。これが3価ワクチンです。
2015/16シーズンからはA型から2種類、B型から2種類選ばれ、あわせて4種類のウイルス株に対応するワクチン(4価ワクチン)になりました。
国内ではこの4価ワクチンのみが製造されます。
製造メーカーが異なっても、もとになるワクチン株はすべて同じです。
インフルエンザワクチンの基本
インフルエンザワクチンは生後6か月以降であれば接種出来ます。
以前にインフルエンザワクチンを接種して重篤なアレルギー反応を経験した人など、幾つかの接種出来ないケースはありますが、ワクチン接種は6か月以上のすべての人に、インフルエンザから身を守る手段として推奨されています。
インフルエンザワクチンの効果について
他の感染症に対するワクチンに比較すると、インフルエンザワクチンが感染を防ぐ効果は低いとされています。
ただしワクチンを接種しおけば、インフルエンザに感染した時に重症化することを抑制できることがわかっています。
「せっかくインフルエンザワクチンを接種したのにインフルエンザに感染してしまった」という人は多いと思いますが、ワクチンによって危険な合併症を起こさずにすんだのかもしれません。
妊娠中のインフルエンザワクチン接種
妊娠中のインフルエンザ感染は重症化しやすいといわれています。
不運にも感染してしまった時は、迅速な治療が必要ですが、感染しないように備えることに優るものはありません。
妊娠中のインフルエンザワクチン接種については、有効性とともに安全性も確認されています。
妊娠している女性も安心してインフルエンザワクチンを接種できます。
また、妊娠している女性をインフルエンザから守るためには、周りの人がワクチンを接種して感染するリスクを下げておくことも重要です。
チメロサール添加について
チメロサールはワクチンに保存剤として添加されることがあります。
かつてワクチンに添加されているチメロサールが発達障害の原因であるとする考えが発表されたことがありましたが、現在この説は否定されています。
いわさき小児科はワクチン製剤へのチメロサール添加に対しては、「問題ない」と認識しています。
ただチメロサールについて心理的に抵抗がある人がインフルエンザワクチンを避けてしまってはいけないので、チメロサールを含まないワクチンも用意しています。
フルミスト
注射ではなく鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチンがあります。
国内未承認のワクチンなので馴染みがないと思いますが、インフルエンザウイルスを弱毒化したウイルスを使った、「生ワクチン」と分類されるワクチンです。鼻の粘膜でインフルエンザウイルスに感染したような状況を作り出すので、鼻の粘膜に免疫を誘導し、理論的には感染を防ぐ効果が注射のワクチンに優るといわれています。
実際には著しく優れているというわけでもなさそうで、流行するウイルス株によって効果が変わるようです。
効果の持続期間は注射より長いとされています。
現在、フルミストの受付も可能です。